6時間エンデューロ・4時間エンデューロ
大会記録も生まれたエンデューロ種目。各クラスにドラマがありました
1周約3.7㎞のサーキットを制限時間の中で周回数とゴールを競うエンデューロ種目。仲間との連携や、走力の差があってもそれぞれのペースでマイベストを目指せる人気種目です。今回56チームが参戦した6時間エンデューロでは過去の大会の記録を更新し、2位と2周差をつけて67周回約247㎞を走破したのがエキップティランの3名チーム[松浦正己選手/皿谷宏人選手/藤井文男選手]でした。「自分が遅れた流れを松浦さんが挽回。最後にほぼ単独となっても、ゴールまで集中して高いペースを作った皿谷さんの頑張りで優勝しました」(藤井選手談)お互い練習でしのぎを削ってきた仲間で、平均5分30秒ペースで周回を刻み総合優勝の栄冠を手にしました。
4時間を経過してライダーの疲労度もはっきりと差が分かれるようになった6時間エンデューロ。淡々とペダルを踏む選手や、声を掛け合ったり協力を誘いゴールを目指す参加者の姿が印象的なレースとなりました。
64チームが参戦した4時間エンデューロでは、S.STARSチーム[井上貴司選手/松田誠也選手/権田雄太選手]とcode33[森本玄達選手/杭田翔太選手]が約1分差での攻防の末、44周回162.8㎞を走り総合優勝。
「とにかく楽しかった。2019年に5位だったので開催されるのを心待ちに自転車通勤の練習で鍛えていました。交代のタイミングはフィーリングでしたが、少しタイム差があったので余裕をもって走れました」(S.STARS 談)
また、男女混合クラスでも42周と好記録で優勝をしたのがEURO-WORKS Racing[萬木啓介選手/辻之内真理選手]。ゴールは女子の辻ノ内さんが大きく手を上げてゴールした姿が印象的でした。
「アタック100㎞で争っている女子3名のグループにうまく入って周回を重ねられたのが勝因でした。このコースに経験のある萬木さんとのタッグで、アドバイスを受けながらうまく走れたと思います。とはいえゴール直前まで自分が2位だと思って気を抜かなかったのもよかったのかな」(辻ノ内選手 談)4時間総合でも4位となる記録に満足な様子でした。
アタック180・アタック100
最後のゴールラインまで接戦が繰り広げられたアタッククラス
エンデューロクラスと同時進行で行われたのがアタッククラス。こちらは個人参加のみのクラスで、規定周回にゴールが設置されたロードレース種目となります。制限時間も設けられており、完走には平均時速30㎞/h以上が求められる実力派のカテゴリー。市民レースとしては100㎞以上で競われる距離の長いクラスだけに、大会参加者には強豪で知られる顔ぶれも目立つスタートラインとなりました。48周回で行われたアタック180クラスには87名が参加。スタートから1時間で先頭グループが9名に絞られるなど厳しい展開となります。最後の1周を最前線で迎えたのは6名の選手。4時間を過ぎてから始まったゴールへの駆け引きは白熱し、勝負はゴールスプリントに持ち越されます。そして坊選手と高山選手が頭ひとつ抜け出しスプリント、車輪を投げ合いほぼ同時にゴールラインを越えたその差は0.059秒差という僅差。接戦を制したのは備後しなまみeNShareの坊紳選手でした。
「アップダウンのコースだけにハイスピードだった前半が特にきつかったです。ゴール前では一瞬高山選手に抜かれたのですが、車輪を差し返して優勝することができました。こういう勝ち方は初めてで良い経験になりました」(坊選手 談)
また参加者の中では66歳で完走し、年代別1位となった大山時間サイクリングクラブ浅田正人選手に注目が集まりました。記録は5時間24分57秒 Ave33.23km/hの好走に周囲からも驚きの声があがります。
「52歳から自転車熱が再燃して14年、平日のローラーと週末のロングで鍛えてきました。2019年からこの大会が開催されるのを3年待ち望んでいました。60代からの3年の歳月は長かった!勝ててうれしい!」と疲れも見せぬ笑顔が印象的でした。
27周回で行われたアタック100クラスは362名と今大会最も多い参加者で競われました。周回ごとに人数が絞られていく中、実業団レースでも活躍する塚本隼人選手が終始先頭集団の主導権を握っている様子。しかし、最後のゴールスプリントを制したのはなんと14歳のユース選手、現役全日本ロードチャンプのチームグランプッチ村瀬琶音選手が他の強豪を捲り切りました。
「ラスト2周からはアタック合戦となりレースは厳しかったですが、スプリント力には確信が持てていました。前回は小学生でこの大会に参加していたので、自分の成長も感じる事ができました」(村瀬選手 談)