大会レポート
TEAM MATRIX POWERTAG 向川選手のレースレポート

4月に入り連日桜雨が降り続いていましたが「第五回晴れの国おかやま7時間エンデューロ」当日は幸いにも晴天に恵まれ、自転車日和の中、盛大に行われました。
今年もメインカテゴリーの7時間エンデューロをはじめ、4時間/2時間エンデューロ、トロッフェ・バラッキが行われ、各カテゴリーのトップでは熱戦が繰り広げられました。また、トップ争いをしていなくても楽しみながらゴールに向かって走られている方も大勢おられました。これもエンデューロならではの光景です。

朝7時にコースはオープン。各選手がコースチェックの為の試走スタート。それと並行してピットロードでは、恒例の「ロードレース講習会」を開催しました。内容は【自転車のチェック・コースの特徴・レース走行】など自転車に乗る上で基本的な説明のみでしたが、この基本的な事が安全で、そしてより速く走行する為に必要なので、機会があれば是非参加して欲しいと思います。

さて、レースの方は7時間エンデューロが8時30分の号砲でスタート。ゴールはまだはるか遠くなのに、序盤からラップタイム5分30秒というハイペースでレースが繰り広げられる。4時間の方はそれより10秒ほど遅いラップを刻み、まだお互いの力を探り合いといったところで周回を重ねていく。 スタートから1時間半が過ぎた頃に7時間のグループはようやく落ち着きラップタイム5分50秒くらいとなる。逆に4時間は抜け出しを試みる選手がアタックし集団は活性化、先頭は少しずつ絞られていく。4時間エンデューロは折り返しとなる2時間が経過、約300名でスタートした集団も60名ほどに絞られる。 レースが動いたのはスタートから2時間半が経とうとした頃だった。ホームストレート手前から数名のアタックをきっかけにペースアップ。集団は2つに分断し先頭は30名に絞られる。そしてペースが落ちることなく先頭交代が繰り返され、脱落していく選手が続出。ラスト1時間になると先頭は7名となる。その7名は均等に先頭交代を繰り返し後続との差を拡げていく。
ラスト30分、さらに3名が脱落し集団は【ロードチーム】藤原(チームWave Mコンビ)、【ロード以外】伊藤(SAKAI★RACING)、【ソロ】糸川・高木(PRESTO)の4名となる。
勝負は最終回へ。ホームストレート手前の登りからアタックが繰り返される。2名が脱落し、藤原と伊藤のスプリントガチンコ勝負へ。距離を見定めて藤原が先行、伊藤が追い込みを掛けるが藤原の前輪が先着。高々と両手を挙げてゴールを飾った。

4時間のゴールを迎えている時に7時間もレースは動いていた。【チーム】「ち~む☆のざきWIN」が単独アタック。そしてそれを追い掛ける形で【チーム】「HAMMER HEAD 捕食」が集団から抜け出す。お互いチーム員と上手く連携を取り選手交代をしながら、抜きつ抜かれつの攻防が繰り返される。
お互いの闘争心が強く、協力してゴールを目指す協調性が見られない。単独走行の力勝負。走行中、お互いのグッドファイトに握手を交わす熱いシーンも見られた。そんなシーソーゲームも選手交代のタイミングで「チーム☆のざきWIN」が大きくリードする。その差は1分、2分そして3分と拡げ1時間半にも及ぶ単独1位を守り続け7時間のゴールラインを切った。
「HAMMER HEAD 捕食」も健闘し2位を死守しゴール。他チームを大きく引き離し73周を走破したのは、わずかこの2チームのみというサバイバルな戦いでした。

7時間ソロでは、次から次へとフレッシュな選手が出てくるチームにアタックされるという拷問と、2時間エンデューロの集団がドッキングした事でハイペースとなり更に拷問を受けた中で、7時間耐え抜いたのは、中村・皿谷(ワイルドピッグズ)・黒川(Elite Test Team)のわずか3名。
そして、2時間エンデューロのアタックに最後まで反応し力の差を見せつけ、7時間ソロの優勝を飾ったのは中村弦太だった。

2時間エンデューロは距離が短いのでソロでのエントリーが多くスピーディーにレースが進んでいく。集団も1時間経過時にはまだまだ大集団状態。そのような状況で誰もが集団スプリントが予想されたが、勇敢にラスト30分で集団から1名が抜け出し30秒先行する。数周回この様な状態が続くが、ゴールが近づくにつれて集団は活性化しタイム差は一気に縮まる。先行する1名を集団が捕え、更にペースが上がり、先頭は絞られる。
最後の勝負は山下(チーム倉敷)・森井(TEAM DACHS-HUND)・柳田(ALLEZ)・堀川(チーム岡山)の4名で迎える。ハイペースで登りを駆け上がりホームストレートでロングスプリントを制したのは山下貴史(チーム倉敷)となった。

いかがでしたか?「第5回晴れの国おかやまエンデューロ」。楽しんで頂けましたでしょうか。ゴール後「160kmしか走られへんかったー」と悔しんでいる方がおられました。自分の目標設定は170kmで、達成出来なかったようです。
順位だけではなく、ストイックに自分の目標に向けて走るエンデューロ、グループでワイワイ楽しんで走るエンデューロ。1つの大会で自分のスタイルに合わせた楽しみ方を出来るのが、マトリックスのプロデュースするエンデューロです。
皆様のスタイルで、またの参加お待ちしております。